最近の学校教育現場では、「SNSでのいじめ」「SNSでの誹謗中傷」「SNSでの自画撮り画像の送受信」といったSNSを介したトラブルが目立ってきており、教員による指導・助言やスクールカウンセリングでの解決方法の提案は大変難しくなっています。これらのトラブルの多くは、学校コミュニティの内側で生じており、関係する児童・生徒も多数になります。さらに被害および加害の範囲さえ特定することが困難となり、結果として被害と加害の争点が一致しないという迷宮に入り込んでしまうことが多くなっています。これらのトラブルの中でも、「性的な自画撮り画像の送受信」の問題では、一つの学校コミュニティの内側にとどまらず、地域の中のいくつかの学校コミュニティとの問題に発展することが多くあり、関係している児童・生徒が全く特定できないくらい被害や加害の範囲が大規模化する状況になっています。このような状況は、児童指導・生徒指導のなんとなくの終結を迎えますが、画像や動画はいつまで経っても回収されず、結果として『デジタルタトゥー』の問題として子どもや若い人にとって一生消えない傷あとを残します。
 実はこのようなSNSを介した性被害や性加害の問題は、解決の糸口が見出せない問題であるという前に、保護者や教員にとっても、未知かつ予測不可能な事態であり、無意識的にも保護者や教員が「見たくない」「知りたくない」問題であるのです。ですから、「見てしまう」「知ってしまう」」前に「予測不可能な事態を引き起こす原因を子どもたちから遠ざけたい」と大人たちが考えることはもっとも自然なことでありましょう。もっとも、さまざまな自治体では、子どもたちに対してスマホやSNSの使用に関する注意喚起を行っており、それらはかなりの効果もあげています。ただし、身の回りを振り返ればわかることですが、スマホやSNSの使用がほぼ全員となる中学生以降に注意喚起をしても、「は、だから?」で終了です。それならばということで、保護者のかたがたよく取る行動は、一方的なスマホやSNSの使用禁止命令です。この使用禁止命令は、子どもたちにとってみれば不公平感しか残りません。そして残念なことに、この使用禁止命令は、子どもたちをジャンクショップで購入したスマホやタブレットで公衆WIFIを経由してSNSの使用する、といった行動を促してしまうことになり、結果として子どもたちをより危険な場面に導く可能性があります。

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